永倉万里江 Jasminz Press<ジャスミンズプレス>
レトロモダンな美人画を描くイラストレーター永倉万里江の近況など・・・
~あなたは カピタン わたしは… ~
カピタン櫛ブログ


詩とメルヘンでのお仕事は まず編集部から届く依頼原稿に

目を通すことから始まるのですが、どんな詩や文章が自分に

割り当てられるのか、毎回封筒を開けるのが楽しみでした。

読んだ途端にイメージの湧くものもあれば、逆に最後まで

悩まされるものもあって…もう既に休(廃)刊となっていますが

あの頃のことを思い出すと懐かしくて今でも胸が熱くなります。

ゆきやなぎれいさんの「船がゆく」はそんな中でも

鮮烈な印象を受けた作品だったように覚えています。

「詩とメルヘン」はけっして子供向けの雑誌という訳では

なかったのですが この詩はかなり異色作に感じられました。

オペラ”蝶々婦人”を連想させるような世界には 日本画的な

私の絵がぴったりはまると編集部が判断したのでしょう

読後の第一印象はかなり難しいと思ったのですが、案外すんなり

入り込めて構図も大胆に決まりました。ディテールとして緋色の

襦袢が艶かしさを演出して それこそ「詩とメルヘン」には

かなり不釣合いな出来映えとなったのではないかと…(笑)


船がゆく 詩/ゆきやなぎ れい


船がゆく

三本マストのオランダ船が


あなたは カピタン

わたしは 丸山の遊女

きっと それだけのこと


カピタンのあなたが

出島ですごした この年月

やがて国に帰って

思い出すなつかしい思い出

それが二人の日々


あなたを乗せて

三本マストの船がゆく

あなたはカピタン わたしは遊女

そう思えば まるで美しい物語り


船がゆくだけ

それぞれの幸せを見つけようなんて

あなたのことばは

風に消されて聞こえてこない



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